コミュニティ運営に欠かせない心構えをまじえた小話
〜〜平日夜・神栖の 中華料理屋にて〜〜
どうしたの、突然呼び出しなんて。
ようやく、読書会に来てくれる気になった?
いや、読書会の話じゃなくて。
今日は相談というか……悩みを聴いてほしくて。
ノロケ話以外なら聴くわよ。
以前、「僕がジョギングサークルをつくりたい」って話を
してたのを覚えてます?
ごめんなさい。びっくりするくらい覚えてないわ。
鹿嶋のファミレスで、焼酎煽りながら語りあったじゃない
ですか!
飲みの席の会話なんて、いちいち覚えてる方が
どうかしてるわ。
とにかく、僕、ジョギングサークル立ち上げたんですよ。
ちょっと前に。
ジョギング好きな人には、『やってはいけないランニング』
と『42.195km の科学』という本がおすすめよ。
すごく実用的で面白いわ。
いや、今、本の話は結構ですから。
ジョギングサークルのメンバーは、ネットの告知サイトや
SNSで募集したんですけと。
結果、今、5人くらいで活動してて。
神之池の周りとか走ってます。
上々じゃない。何を思い悩む必要があるの?
……なんか、不安というか、むなしいなあと思って。
……? 今日もおセンチモ-ドなのコンビナ君?
ジョギングサークルに参加される方の大半が、
僕と同じ転勤族なんですよ。
いつかまた別のところに行っちゃうのかなあと思って……
ウウッ!(泣
なんだ、そんなことね(エビチリを頬張りながら
そんなこと!?
あのね、サークルとかのコミュニティの主催者に
なったら、不安はいつでもつきまとうものなのよ。
『人見知りで出不精だったOLがコミュニティの女王になった
理由』という本にも、同じことが書いてあるわ。
「いいときもあれば、悪いときもあり、毎回いいときという
ことはありえません」とあるわ。
人生と一緒よ。
あと、リピーターの人が突然来なくなったときは
へこむんだよなあ……。
来なくなった人との相性が悪かっただけよ、
気にとめることではないわ。
みんないい大人なんだから、そのあたりは
お互い恨みっこ無し。
告知サイトからのメールのやり取りが一方的に不通に
なっても、いちいち目くじら立てない方がいいわ。
問い合わせ相手が、その程度の人間だったってだけの話。
まあ、何か事情があったかもしれないし……。
とにかく、コンビナ君がジョギングサークルを通して、
皆にメリットを与え続ければ、きっといいことあるわよ。
僕が皆に与えられるメリットってなんだろ???
メリットを明確にした上で、「どんなコミュニティに
したいか」をもっとハッキリさせる方がいいわね。
とりあえず、読書会に一度いらっしゃい。
いや、当分は結構です(なんだかんだ小難しそう……)
頑なッ……!
あれ、僕のエビチリ、いつの間にかなくなってる…。
以上、本の内容以外は大体フィクションです。